使いまわし

「じゃーん!いいだろ〜。レアカードだぜっ!!」
見せびらかす男の子。
「ボクにも見せてっ」 「私が先よっ」 「ていうかよこせ!」
群がってくる子供たち。
「おまいら、ちょ、もちつけ。欲しけりゃやるよ!持ってけよっ」
気の良い男の子は黄色いレアカード16枚をみんなにあげてしまった。
「まぁ良いさ、ボクには超々レアカードがあるもんね〜。じゃじゃーん」
そして彼が取り出したのは、通常の3倍と言われる、幻の赤いヤツ。
「おうおうおう、良いモン持ってんじゃねーか」
しかしどの時代、どこの世界にもジャイアンはいるもので。
「オレによこせっ」
「ああっ!なにするんだよ、返してよ!!」
「うるさいっ!!」
ドガバキズコ
「最初から素直に渡しときゃ良いんだよ。じゃ〜な〜」
超レアカードをゲットしてピッチを後にするジャイアン
「・・・イテテ。ま、まぁまだあるもんね」
「ねぇねぇ、ボクの黄色いヤツ2枚と赤いヤツ、交換してくれない?」
キズだらけの男の子に手を差し伸べながら話しかける少年。
「君はトレーダーかい?良いよ、交換しよう。」
「わーい、ありがとう♪」
交渉成立で赤いのをゲットした少年もまた、ピッチから駆け出して行ったのだった・・・・・・。
(つづく)